ハットトリックを記録したレアルFWビニシウス(ロイター)

<UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL):Rマドリード5-2ドルトムント>◇22日(日本時間23日)◇1次リーグ第3節◇サンティアゴ・ベルナベウ

【マドリード=高橋智行通信員】昨季CL決勝の再現となった一戦で、レアル・マドリード(スペイン)がドルトムント(ドイツ)に5-2と大逆点勝利を挙げた。前半2点を失ったRマドリードだったが、FWビニシウスがハットトリックを記録。マッチMVPに輝いた。Rマドリードは今季開幕から公式戦のホームゲーム7連勝。これで1次リーグ2勝1敗となり、暫定ながら9位に浮上した。

アンチェロッティ監督は3日前の国内リーグのセルタ戦からスタメンを3人変更してきた。チュアメニやカマビンガをベンチに置き、バルベルデをアンカー、元ドルトムントのベリンガムを右インサイドハーフで起用する4-3-3で臨んだ。

ドルトムントは今大会2連勝で1次リーグ首位に立つも、ブンデスリーガでは7位と調子を落としていた。現役時代Rマドリードに所属し、今季就任したばかりのシャヒン監督はヤン・コウトやアデイェミなどの主力を欠く中、4日前のザンクトパウリ戦から3人入れ替えた。ドイツから駆けつけた約4000人のサポーターが北ゴール裏上段に陣取った。

ドルトムントが前半6分にギラシが最初のシュートを打つが、それ以降、ホームのRマドリードが相手ゴールを包囲し、前線3枚(ロドリゴ、エムバペ、ビニシウス)が次々と仕掛けていく。しかし、ゴール前を固められたため、エムバペやバルベルデのシュートはDFにブロックされた。

立ち上がり劣勢だったドルトムントは前半10分過ぎからボールをキープ。パスをつなぎながら左サイドのギッテンスのスピードを生かしていく。一方、前節リール戦を落としているため、勝利が必須のRマドリードは、中盤より低い位置にブロックを敷いてゾーンで守り、我慢強く戦った。

両チームに決定打が出ず、こう着状態が続く中、前半30分に均衡が破れる。ドルトムントはペナルティーエリア正面でブラントがルーカス・バスケスからカット。このボールをギラシがつなぎ、DF裏に抜け出たマレンが先制点を記録した。さらに同36分、右サイドを抜け出したマレンのクロスをギッテンスがゴール前で合わせ、追加点を奪った。

エムバペとの連携がうまくいかず攻撃にてこずるRマドリードは、この失点に気落ちすることなくすぐさま反撃。37分に波状攻撃を仕掛けるが、ロドリゴの胸トラップからの巧みなボレーシュート、その直後のベリンガムのシュートはともにクロスバーを直撃した。

両陣地を行き来するスピーディーな展開となる中、猛攻を凌いだドルトムントは前半終了前に勝負を決めるべくカウンターを仕掛け、ブラントとギッテンスがミドルシュートを狙っていったが、GKクルトワにファインセーブされた。

2点を追うRマドリードは後半、システムを変えてより攻撃的にプレーし、序盤からルーカス・バスケル、バルベルデ、ビニシウス、エムバペ、ロドリゴが積極的にゴールを狙っていった。そして完全に相手を押し込んでいた後半15分、エムバペのクロスをオーバーラップしたリュディガーが頭で合わせて1点差にした。

この得点で勢いに乗ったRマドリードは続く後半18分、モドリッチのパスを受けたエムバペがカットされたボールをビニシウスがゴールに押し込んだ。このシーンでエムバペのポジションがVARに確認された後、得点が認められ、2-2の同点となった。

それ以降、これ以上失点を許さないため5バックに変更したドルトムントを尻目に、Rマドリードが決勝点を狙いにいく。そして38分、守備面で何度かミスが目立っていたルーカス・バスケスが横パスをカットされた後、そのままルーズボールを拾い、ペナルティーエリア内右サイドのやや角度のないところから逆転弾を突き刺した。

ドルトムントが意気消沈するも、Rマドリードは攻撃の手を緩めなかった。そして後半41分、ビニシウスが自陣深くからドリブルを仕掛け、ペナルティーエリア手前まで持ち込み、試合を決めるシュートをゴール右下隅に流し込むと、終了間際にまたもやビニシウスが個人技を発揮して、勝利を締めくくるチームの5点目を記録した。

サンティアゴ・ベルナベウで再び“魔法の夜”を達成。後半の怒涛のゴールラッシュで5-2の大逆転勝利を飾った。前半素晴らしいサッカーを展開しながらも後半に力尽きたドルトムントは、今大会初黒星を喫して首位陥落。暫定5位となった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【欧州CL】Rマドリード、昨季決勝戦ったドルトムントに5発大逆転!ビニシウスがハット!