DeNAファンにあいさつする三浦監督(撮影・江口和貴)

<記者の目>

<セ・CSファイナルステージ:巨人2-3DeNA>◇第6戦◇21日◇東京ドーム

DeNAが逆転勝ちでCSファイナルステージを勝ち抜き、17年以来7年ぶりの日本シリーズ出場を決めた。2-2で迎えた9回表2死三塁、牧秀吾内野手(26)が6年ぶりに中継ぎ登板した巨人菅野から三遊間を破る決勝打を放った。

   ◇   ◇   ◇

DeNAが、球団主導のチームテーマとCSで進化した「番長野球」が融合し、7年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。今季、球団が掲げたチーム方針は「5-3」のスコアで勝つことを理想とした「5-3」野球だった。得点力の向上に向け、長打率アップなどを掲げながら、最新のデータなども参考に作戦面も構築した。

盗塁を含めた走塁面の改革にも取り組んだ。走塁指導のスペシャリストとして、元楽天コーチの佐竹学氏を1軍走塁アナリストで招聘(しょうへい)。昨季はリーグワーストの33盗塁だったが、今季はリーグ最多の69盗塁と飛躍的に増加した。チーム打率2割5分6厘、522得点はともにリーグトップで得点力は確実に上がった。

CSからは持ち味の強打に、小技を絡めた「番長野球」がさえ渡った。CSファイナル第1戦では1点リードの7回無死一塁、2点リードの9回無死一塁で森敬に犠打。第2戦では0-0の5回無死二塁から桑原の犠打で1死三塁とし、森敬の適時打で先制した。犠打はリーグ最少の85個で、シーズン中であればヒッティングを選択する可能性が高かった場面だが、1点勝負の短期決戦で変化。継投のタイミングも、早め早めへ。思い切り腕を振れる状況で勝負を託した。

思えば、1軍監督に就任した時、現役時代の師匠で投手指導の名伯楽で知られる小谷コーチングアドバイザーから「今日のゲームを和食にするか、中華にするか、洋食にするか。要するにゲームの読みが大切」と助言された。試合展開を冷静に読み、イメージした“献立”にアレンジを加える「番長野球」で勝利の味をかみしめた。【久保賢吾】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【記者の目】DeNA三浦監督、球団掲げる「5-3」野球に味付けした「番長野球」で日本Sへ