明大対早大 4回裏早大無死、印出は中前打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

<東京6大学野球:早大2-0明大>◇第6週第3日◇21日◇神宮

早大が“宿敵”と目する明大に快勝し、優勝へぐっと近づく勝ち点を挙げた。

エースの伊藤樹投手(3年=仙台育英)が勝負どころで崩れず、印出太一捕手(4年=中京大中京)とのバッテリーでピンチをしのいだ。印出は「入念に。入念に、入念に準備した結果です」と「入念」という言葉を3度も繰り返し、勝利の余韻を味わった。

東京6大学リーグでトップレベルの打撃力が目立つ中、捕手としても苦心を重ねてきた。伊藤について「考えながら投げる投手」と評する。

「考えながら投げる投手なので、サインの中でしっかり会話しながら。伊藤はけっこうマウンドで首を振る回数が多いと思うんですけど、サインを通して会話して、意思疎通をしっかりしながら1球1球意図を持って」

後輩が誇る絶妙なコントロールを生かせるよう、捕球や構え方も工夫しながら、全精力を注ぐ。ネット裏からの関係者たちから“見られている”感覚も多い中、成長してきた。

「今までの早稲田の負け癖というか、ここ一番で勝ちきれないところがずっと課題で。勝てるキャッチャーが一番いいキャッチャーだと自分は思っているので、勝つために本当にいろいろな準備をして。勝てるキャッチャーということを証明するのが大事かなと思ってきました」

ドラフト会議が24日に近づく。「野球を始めた頃からの夢、1つの目標なので、とにかく待つだけという感じです。信じて待ちたいです」と願う。

プロ、メジャーの第一線で投げてきた小宮山悟監督(59)も印出を推す。

「プロに送り出すということで言うと、欲を言えばもう1ランク、全ての面でレベルアップしてもらいたいなと思いますけど、本人の言うように、細かなところまで考えているし、視野の広さも含めて抜群のキャプテンシーがありますし、扇の要にはうってつけだと思っています」

“マジック1”となった優勝へ、さらに勢いづける吉報は届くか。この先の戦いへと頭を巡らせながら、どっしり待つ。【金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ドラフト吉報待つ】早大・印出太一がV寄せるリード 小宮山悟監督も「うってつけ」と太鼓判