吉報を待つ会津北嶺・渡辺(撮影・浜本神威)

24日に行われるプロ野球ドラフト会議を前に、東北のドラフト候補選手を4回にわたって紹介する連載の第2回は、プロ入りした先輩の後を追う、会津北嶺(福島)の渡辺新投手(3年)。

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渡辺は、8月28日にプロ志望届を提出した。きっかけは先輩の姿だった。昨秋ドラフトで高校の1学年上の先輩・富山紘之進捕手(19)が、ロッテの育成5位で名前を呼ばれた。渡辺は「指名される瞬間に一緒にいた。緊張感の中で、自分もプロ野球選手になりたい、先輩を追いかける立場に挑戦したいと思いました」。

昨夏の福島大会では、抑えとして先輩とバッテリーを組んだ。チームは創部初の4強まで勝ち進み、渡辺は5回無失点。準決勝の学法石川戦では3回3安打無失点に抑えた。しかし、今夏は2回戦敗退。今、先輩を追いかけるべきか悩んだが、両親やチームメート、指導者と今後のことを相談し、「プロに挑戦するチャンスがあるなら(プロ志望届を)出してみたら」と背中を押され、挑戦を決意した。

持ち味は190センチの長身を生かした投球だ。高いリリースポイントから最速143キロの直球を投げれば、角度を生かしたフォークや横に曲がるスライダーもさえる。フォークはメッツ千賀の握りを意識し、高校1年生から磨きをかけてきた。他にも「体を回す動作の中で、千賀選手はグラブが流れない。体を柔らかく使う中でグラブを軸にしっかりと止めている」と千賀のグラブの使い方をまねして、課題だった体の開きも修正してきた。

目標を聞かれると「先輩の活躍を超える選手になりたいですし、人としてプロ野球を背負えるような人になりたい」と言い切った。いずれは先輩も、憧れの大エースをも超える存在に。伸びしろは十分だ。【浜本神威】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【東北ドラフト候補紹介】会津北嶺・渡辺新、バッテリー組んだ先輩の姿追い求め、プロに「挑戦」