メッツ対ドジャース 5回表ドジャース2死、ファウルボールを放ち、顔をゆがめる大谷(撮影・菅敏)

<ナ・リーグ優勝決定シリーズ:メッツ12-6ドジャース>◇第5戦◇18日(日本時間19日)◇シティフィールド

【ニューヨーク18日(日本時間19日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、痛い走塁ミスで先制のチャンスを逸した。メッツとのリーグ優勝決定シリーズの第5戦に「1番DH」で出場し、4打数2安打。1回無死二、三塁の場面で、三塁走者の大谷は遊ゴロでスタートが切れず、先制機を逸した。ワールドシリーズ進出に王手をかけていたチームは先発のジャック・フラーティ投手(29)が3回8安打8失点。投手陣が14安打12失点と炎上し、シリーズ3勝2敗となった。チーム練習を1日挟み、第6戦は本拠地で開催される。

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守備位置の確認作業を怠らず、打球判断に定評がある大谷なら、スタートを切れば十分にセーフとなる当たりだった。1回無死二、三塁。メッツの二遊間は前進せずに定位置で守る、1点を覚悟した守備シフト。だが、3番T・ヘルナンデスの遊ゴロで、三塁走者の大谷は動けなかった。後続も凡退して無得点。開始早々に1、2番コンビで絶好のチャンスを作ったが、先制点を奪えなかった。

1つのミスで流れは変わる。試合後、ロバーツ監督は「内野ゴロでショウヘイが走らないといけない状況だったが、止まってしまった。初回に1-0でリード出来ていれば、試合の流れを奪えたと思う」と厳しい表情で苦言を呈した。いいプレーは褒めちぎる一方で、ミスもしっかり指摘する同監督。特別扱いはしない。中継局リポーターの試合中インタビューでは「たぶん彼はブレイン・クランプ(思考停止)だったのかもしれない。それで動けなかった。相手があそこから流れをつかんだ」とも言った。

2試合連続の圧勝から一転、完敗した。先発フラーティが3回8安打8失点の大誤算。打線はパヘスの2本塁打4打点で追い上げたが、5回途中から勝ちパターンの救援投手スタニクと守護神ディアスを投入され、反撃も及ばなかった。4回までに2安打の大谷も救援陣に2打席連続三振。勢いが止まった。シリーズは3勝2敗となり、第6戦は前回の対戦で苦戦した左腕マナイアとの対戦となる。王手をかけ、有利な状況は変わらないが、強敵が立ちはだかる。

14安打12失点の大敗も、ド軍は2番手のハニーウェルが4回2/3を投げ、盤石の救援陣を温存した。第6戦はリリーフ投手をつなぐブルペンゲームで臨むだけに好材料となった。今シリーズ5戦で18打数無安打と苦しんでいるT・ヘルナンデスは「戦い続けて、チームに貢献するだけ」と前を向いた。ポストシーズンを通じ、ミスは反省しても、引きずらない姿勢を率先する大谷もいる。ワールドシリーズ進出は目前。本拠地へ戻り、仕切り直す。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平の痛い走塁ミスにロバーツ監督苦言「初回にリード出来ていれば、試合の流れを奪えた」