川崎F対G大阪 後半、ゴールを決めポーズを決める川崎F小林(右)と家長(左)(撮影・垰建太)

<明治安田J1:川崎F1-1G大阪>◇第34節◇18日◇U等々力

川崎フロンターレは、鬼木達監督(50)の今季限りでの退任発表後初の試合でG大阪と1-1で引き分けた。前半7分、相手MFウェルトン(27)に先制を許したが、後半36分にFW小林悠(37)の得点で追いついた。鬼木監督就任初年度の17年に主将として23得点を挙げ、得点王&MVPでJ1制覇に貢献した愛弟子が意地を見せた。途中出場の歴代単独トップ28点目。3連勝は逃したものの、最低限の勝ち点1を恩師にもたらした。

   ◇   ◇   ◇

鬼木采配がズバリ的中した。後半23分にアタッカーを一挙4枚投入。そのうちの3人が同点弾を生み出す。同36分、MF家長のスルーパスに抜け出したMF遠野の左クロスに打点の高いヘッドでゴールネットを揺らした。播戸竜二と並んでいた途中出場の最多得点記録を28とし、単独1位に立ったエースは周囲に感謝した。

「みんなが運んでくれて決めるだけだった。ゴールになって良かった」

小林は強い思いを持って試合に臨んだ。試合2日前の16日、クラブから、鬼木監督の今季限りでの退任が発表されていた。「力が入らない感じだった。それくらい自分にとっては大きい存在だった」。会場も同じ思いだった。寂しさ、悲しさに包まれる中、キックオフ前に監督の名前がアナウンスされる。ひときわ大きな拍手が送られた。

前半7分に失点し、追いつきたい展開。「長くやったオニさんの退任が決まって、絶対に自分が決める、自分が決めないといけないと思っていた」と気持ちを高ぶらせてピッチに立ち、結果を残した。

功労者の退任発表は、クラブに少なくない影響を与えた。初戴冠をもたらすなど8シーズン率い、国内3大タイトル7度制覇。常勝軍団は鬼木監督とともにあった。小林は鬼木監督就任初年の17年から主将に就き、全てのタイトルをともに共有した。

試合後、尊敬する指揮官から「悠はやってくれると思っていた」と言葉をかけられた。「残り試合1つでも多く決められるように準備したい」。その得点で、恩師に1つでも多くの勝利を届ける。【佐藤成】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【川崎F】鬼木采配ズバリ!後半アタッカー4枚一挙投入、小林悠同点弾 退任発表後初試合ドロー