リーグ優勝に王手をかけ、山本(右)とタッチをする大谷(撮影・菅敏)

<ナ・リーグ優勝決定シリーズ:メッツ2-10ドジャース>◇第4戦◇17日(日本時間18日)◇シティフィールド

今シリーズ初先発となったドジャース軍山本由伸投手(26)が、5回途中2失点と踏ん張り、勝利に貢献した。

大谷の先頭打者弾で援護を受けた初回に同点アーチを喫し、3回1死満塁からはチャレンジで判定が覆り、併殺崩れで1点を失った。それでも、要所で三振を奪い、3点リードを維持し、救援陣へバトンを託した。「何とかリードを守ろうと思いながら投げた。追加点を取ってもらえたので、多少余裕を持って投げることができました」と、ホッとした表情で振り返った。

まさに「1球入魂」だった。早めの継投が主流のポストシーズン。オリックス時代のように長いイニングを意識することなく、目の前の打者だけに集中した。延べ19人の打者に対し、初球ストライクが14回。常に有利なカウントで攻め続けた。「1イニングずつ抑えるのが自分の基本」。2ストライクに追い込んでからは、宝刀スプリット以上にレギュラーシーズンでは少なかったスライダーを随所にちりばめた。8奪三振中4個はスライダー。縦変化に意識を置くメッツ打線の狙いを、ことごとく外した。

「1発も多いので、油断することなく投球した。こっちは早い展開から救援の方が出て来て、今日も抑えてもらえた。助かりました」。強力救援陣との役割分担を納得した上で、試合をつくり、5回途中までマウンドを守った。

レギュラーシーズン以来、基本的に中5日の登板が続いており、第7戦までもつれても今シリーズでの登板はこの日が最後。その一方で、勝ち進めばワールドシリーズ初戦で大役を任される可能性が高い。「しびれる展開の試合が多いので選手としてもやりがいを感じます。幸せな経験ができていると思います」。緊迫した戦いの中でも、メジャー1年目を感じさせないほど、山本の口調は落ち着いていた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 山本由伸「1球入魂」5回途中2失点と勝利貢献「何とかリードを守ろうと」メッツ打線の狙い外す