浦和戦への質問に答える東京Vの城福浩監督

東京ヴェルディが、浦和レッズ相手に持ち味とする積極果敢な姿を取り戻せるか。城福浩監督(63)が17日、稲城市のクラブハウスで次節19日の浦和戦に向けた記者会見に臨み、直近の課題となっている「前半の重たさ」を払拭(ふっしょく)する考えを語った。

チームは8月17日のFC東京戦(0-0)を皮切りに、途中4連勝を含む6試合連続負けなし(4勝2分け)と絶好調。順位も6位まで押し上げた。しかし前節10月6日の湘南ベルマーレ戦に0-2と敗れ、8位に後退。何より前半から相手に主導権を握られ、受け身になってしまったサッカーに誰よりも指揮官が憤慨していた。

勝ち続けて勝ち点を重ねた一方で、次第に失点しないようにという保守の心理が強く働いた。それゆえ前半から受け身に回ってしまう慎重な方向に針が振れた。それについて城福監督は、こう説明した。

「前半ゼロで抑えれば、我々の方が攻守において運動量で上回れるという自負がある。なぜかと言うと、日頃あれだけ厳しい練習をしているんだから、我々の方が絶対に運動量が落ちないっていう自負がある。それは自分だけじゃなくて選手みんなもそう思っている。とにかくゼロで抑えれば、どこの相手にも勝負になると、共通意識を持っています」

そして、その問題点をこう掘り下げた。

「それでゼロの抑え方なんですけど、あたかも1-0で勝っているようなその推移というか、押し返すんじゃなくて、自陣にちょっと重心が重くなってしまうような前半のゼロの推移をしてしまうと、相手にボールを持たれることも多いのと、もう1つは奪った後のカウンターの距離が長いので、なかなか成立しないということ。前線の選手が疲弊してしまうと、そこの負の部分っていうのがちょっと出た時に、相手に握られているというふうに見えるような多くなっていると思います」

改善点となるのが、腰の引けた戦い方でなく、ヴェルディが本来持っている前へ向かう意識。指揮官はこう続けた。

「あくまでも受動的じゃなくて、能動的な守備をして、そこで前半をゼロに抑えられるところまでもう少し進化していかないと。もちろん危ない時に、プレッシャーがかからない時には中を固めて重心を後ろに重くするのは悪いことではないんだけど、勝ち点1の状況(0-0)でそれを早めにやってしまうと我々らしくないですし、一度こう受動的なサッカーになってしまうと打破するのが難しくなる。ここは前半ゼロという強い意志の中で、どういうサッカーをするのか、というところをもう一度ブラッシュアップしたい」

対する浦和は3連敗中と不振をかこう。それでも個々の能力は高く、難しい試合になることが予想される。城福監督は試合のポイントについて、こう話した。

「個のレベルが高いのはもう分かり切っていることで、我々が何で勝負できるかというと、メンタル的なひたむきさ、これはもう当たり前の話なのと。いかに今シーズン辛抱して積み上げてきたものがあって、これをどういう場面で全員が共通意識を持って、瞬間的にも、継続的にも、90分発揮し続けられるか。ここにフォーカスすることが大事だと思います。チームとして積み上げたものを見せるんだと、この思いだけはブレずに戦いたいなと思います」

ホームの味スタの試合だが、地理的にも近い浦和サポーターが集結することが想定される。「浦和レッズの応援というのが大きく響き渡ると思う。それに負けないように我々もサポーターと一緒に戦って、ここは味スタなんだと見せられるような試合にしたい」。

93年創設時のオリジナル10同士。注目の一戦は、ともにクラブのプライドをかけた熱き闘いになる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【東京V】城福監督、浦和相手に前へ出る姿勢強調「ここは味スタなんだと見せられる試合したい」