【ドラフト吉報待つ】東海大相模・藤田琉生は後輩相手にほぼ毎日投げる 198cm上位候補左腕
プロ野球ドラフト会議が24日に行われる。プロ志望届を提出した選手、ドラフト指名を待つ選手。吉報を待つグラウンドに、日刊スポーツの記者が思いを尋ねに向かった。
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秋季関東大会出場を決めた東海大相模(神奈川)の野球部グラウンドに熱気が満ちる。髪が少し伸びた藤田琉生投手(3年)もその中にいた。
「けっこう毎日のように投げていますね。なるべく投げるようにしたいので」
後輩たちを相手にマウンドへ上がる。たまに打たれたりもするが、指にかかった球は打者も手が出ない。
198センチ左腕。打者にとって未知の角度からの球でこの夏、注目を集めた。甲子園は8強止まりも、高校日本代表でも先発を任され存在感を見せた。
大学進学の選択肢もある中で熟考し、その末にプロ志望届を出した。
「自分は中学校の時に小笠原慎之介さんに会って。すごく影響を受けて」
同じ神奈川・藤沢市出身で中学のチームの先輩でもある。東海大相模で全国優勝した左腕は当たり前のように、憧れになった。
「相模に行って、日本一のエースになって、プロに行くって」
最後はその思いを貫いた。元巨人の原俊介監督(47)から何度となく「厳しい世界」と説かれても、それを上回る覚悟があった。
12球団から調査書が届き、大半の球団と面談も行った。高い期待の声も自然と耳に入る。ドラフト会議が迫った16日も、ある球団のスカウトがスーツをまとって練習視察に訪れた。
大型左腕はプロで大成しない-。そんな意見があることを藤田も知っている。
「その言葉は気にせず、ですね。自分のやるべきことをやって、年を重ねていくたびに結果はついていくと思うので」
原監督も認める手先の器用さで、新たな価値観を球界に植え付けられるか。
「なるべく上位で選ばれたい、というのはあります。でも今それを言葉にしても状況は変わらないと思うので、やることをやって24日を待つだけです。選んでもらえたら、しっかり感謝して、そこからまた頑張ろう…そんな感じですね」
派手なことは言わない。ただでさえ目立つ17歳は、背伸びせずにこの1週間を過ごす。【金子真仁】