敵地シティ・フィールドで前日会見に臨むドジャース大谷

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)15日(日本時間16日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、大注目を浴びながら独特の雰囲気の中で打席に立つ。ナ・リーグ優勝決定シリーズの第3戦(日本時間17日午前9時8分開始)から敵地ニューヨーク(NY)に場所を変え、メッツの本拠地シティ・フィールドで3連戦が行われる。第2戦後に西海岸のロサンゼルスから東海岸のNYへ移動し、睡眠が十分ではない中で目をこすりながら、意気込みを語った大谷。両軍監督や先発投手らの会見でも、大谷に関する質問が次々と飛んだ。

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主役はやっぱり、大谷だった。前夜、LAから約5時間半のフライトでこの日の未明にNYに到着。敵地シティ・フィールドで午後4時45分からの前日会見に臨んだ。時折、目をこすり「さっきまでずっと寝ていたので、まだ少し眠い」と明かした。ロサンゼルスとの時差は3時間。体調管理で心かげる睡眠のリズムも狂う。「今日、明日の睡眠が一番パフォーマンスでは大事。寝れば寝るほど自分の中ではいい」と、体のリカバリーを最優先とした。

本拠地から敵地へと舞台を移す第3戦。「健康な状態でまた明日も試合が出来ることにまず、自分自身はすごく喜びを感じている」と胸を躍らせた。前日会見では両軍の監督、先発投手に加え、メッツの主力リンドアが参加したが、主役をかっさらったのは大谷。敵軍のメンドサ監督や先発セベリーノには「大谷対策は」との質問が相次ぎ、シーズン中にMVP争いを繰り広げたリンドアには「大谷との関わりや印象、尊敬する点や気付いた点」について問われた。ロバーツ監督には14問中、6問が大谷に関する話題。相変わらずの注目度の高さだった。

スーパースターだからこその宿命か…。米メディアからはPSで苦戦する選手として、歴代1位の本塁打数を誇るバリー・ボンズや、ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジらを例に挙げられ、比較された。「初めてのポストシーズンなのでそこまで多く語れることはないですけど、当然、リーグの中でもトップクラスのチームなので、それだけレベルの高い投手の中からヒットやホームランを勝ち取っていくというのは、それだけ難しい作業」。最高峰の舞台で頂点を目指す上でのせめぎ合い。その厳しさも、実感している。

得点圏では5打数4安打と勝負強さを発揮する一方で、走者がいない場面では19打数無安打。ここまでPS通算では27打数6安打、1本塁打の成績で周囲の期待としては物足りなさがあるのかもしれないが、大谷は「自分のやれることを精いっぱいやりたいなという気持ちで、戦っている」と語った。シリーズの行方を左右する第3戦。どちらに転んでも、ゲームの主役は大谷となりそうだ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平前日会見でも主役 ロバーツ監督へ14問中6問が大谷関連、敵将にも大谷対策の質問飛ぶ