ドジャース対メッツ 4回裏ドジャース1死一塁、右適時二塁打を放つ大谷(撮影・菅敏)

<ナ・リーグ優勝決定シリーズ:ドジャース9-0メッツ>◇第1戦◇13日(日本時間14日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)13日(日本時間14日)=斎藤庸裕、四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)が、ワールドシリーズ進出へ前進した。メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦に「1番DH」で出場し、4打数2安打1打点。制球に苦しんだメッツ先発の千賀滉大投手(31)を攻め、2回の第2打席では右前適時打で3点目を奪い、KOした。第3打席でも安打を放ち、勢いづいた打線は9安打9得点で快勝。先発ジャック・フラーティ投手(28)が7回無失点に抑え、大事な初戦を投打で圧倒した。

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どっしりした強さを見せつけ、大谷は快勝を喜んだ。9安打9得点と効果的に得点を重ねた打線の一角として、勢いを生んだ。試合後、中継局FOXスポーツのインタビューで「1人1人が自分の仕事をしていると思いますし、先制、中押し、ダメ押しと、いい点の取り方をして、ゲーム運びが素晴らしかったと思います。ピッチャー陣ももちろん、素晴らしかった」とコメント。点差以上に、勝ち方に手応えがあった。

2回、無死一塁から9番エドマンが犠打を決め、大谷が千賀から右前適時打で追加点を挙げた。4回も無死一塁から8番ラックスが犠打を決め、9番エドマンが右打ちで適時打をマーク。理想的な攻撃で得点を重ねた。9月19日以降に限れば、大谷の得点圏打率は19打数16安打の8割4分2厘。ポストシーズンでも5打数4安打と打ちまくっている。「ファンの歓声がすごくて、自分自身がより打席に強気で集中できる環境だった」と、観衆5万3503人の後押しに感謝した。

スキのないプレーを率先した。第1打席、千賀との対戦で二ゴロに倒れた。ベンチに戻る途中で、3番フリーマンに耳打ち。相手投手に関する情報共有を怠らなかった。各打席で好球必打に徹し、四球を含めて3度出塁。盛り立て役としても動き、7回無失点に抑えた先発のフラーティを拍手でたたえ、ベンチ前で真っ先に出迎えた。当然のことかもしれないが、高ぶる感情とともに際立つ冷静さが、随所に表れている。

適時打を放った2回には二盗を試み、好送球に阻まれ間一髪タッチアウト。7月22日以来の盗塁失敗となったが、ユニホームを汚しながら全力のハッスルプレーを見せた。盤石の投手陣はこの日も先発フラーティから2投手をつなぎ、33イニング連続無失点でメジャー記録に並んだ。大谷は試合後、「(投手陣に安定感があることで)オフェンスにより集中できるような、オフェンスのことだけ考えていれば大丈夫だという信頼が、チーム全体である」と胸を張った。まだ第1戦だが、投打で圧倒。一気にシリーズ突破の雰囲気が漂ってきた。

▼大谷が千賀と対戦。大リーグのポストシーズンで日本選手同士の投打対決は地区シリーズの大谷対ダルビッシュ(2度)に次いで通算12度目だが、適時安打は初めて。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平、スキのないプレーで千賀撃ち2安打1打点「1人1人が自分の仕事」ドジャース9得点先勝