阪神対DeNA 2回表を投げ終え、悔しそうにベンチへ戻る阪神高橋(撮影・前田充)

<セ・CSファーストステージ:阪神3-10DeNA>◇第2戦◇13日◇甲子園

最後のとりでが崩れた。阪神高橋遥人投手(28)が負ければCS敗退が決まる大一番で壮絶に散った。5回6安打4失点。2回に5安打を集められ、このイニングに4失点を喫した。「ビッグイニングは一番やっちゃいけないことなので」と言葉を絞り出した。

強力DeNA打線に真正面からぶつかった。初回は牧、オースティンを空振り三振に仕留めた。内角をズバズバと突き、鋭く沈むツーシームも決まった。好発進したが、2回は無死満塁から戸柱に右中間への3点適時二塁打を浴び牧にも適時打を許した。

「そんなめちゃくちゃ甘いボールではないと思うんですけど。はじかれてたってことは…。力が及ばなかったというのは嫌で。もっとやりようというか。勢いを与えてしまったので…」

全ての責任を背負い込む。直後の3回の守備からは捕手が梅野から坂本に交代。「僕を引っ張ってくれるキャッチャーの人も僕のせいで代えられてるので」と悔しさがあふれ出た。

左肘の手術などから約3年ぶりに1軍復帰。8月から4連勝して逆転Vの希望をつないだ。まさに救世主として腕を振ってきた。だから大事なCSファーストステージ第2戦のマウンドも託された。ただただ結果が欲しかった。

「求められてることをこういうところで発揮できない。弱いなと思いました、自分を」

責任感が強く完璧主義な男だから、反省の言葉ばかりが口を突く。「結果的には申し訳なかったです。今日の試合が全てなので。チームに申し訳ないし、応援してくれたファンの人にも申し訳ない」。復活の1年。一方で最後の最後にとてつもない悔しさを味わった。もっともっと強くなって、誰にも手のつけられない男になるしかない。【中野椋】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】4失点の高橋遥人「弱いなと思いました、自分を」復活の1年、最後にとてつもない悔しさ