セ・リーグCSファーストSの前日会見に臨む阪神岡田監督(撮影・前田充)

さあ、総決算よ-。阪神岡田彰布監督(66)が11日、甲子園で行われた「2024 JERAクライマックスシリーズ セ」共同記者会見に出席し、最後の戦いへの思いを語った。今季限りでの勇退が決まっている指揮官は「すごいゲームをやっていきたい」と宣言。2年間プロ野球界を盛り上げてきた名将が、最後までファンを楽しませる。12日のDeNAとのCSファーストステージ第1戦(甲子園)から2年連続日本一への歩みが始まる。

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泣いても笑っても最後の戦いが始まる。CSへの意気込みを聞かれた岡田監督は、大事な言葉を強調するように、呼吸をおきながら話し始めた。

「この1年間の総決算というか。いいところも悪いところもあったけど、そういうのは抜きにして」

今季限りで勇退するため最後のCS会見。落ち着いたたたずまいの中には、熱い思いが隠れていた。

「今のチームで最後の最後までゲームがある限り、全力で、いいゲームをする。それで勝ち抜けば一番いいけど、とにかく素晴らしいファンの人がいて、楽しいすごいゲームをやっていきたい」

昨季は18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一。2年間プロ野球界を盛り上げた指揮官が、今年目指すのは下克上日本一。最後までファンを楽しませる。

頂点へと勝ち上がるカギは「やはり初戦ですかね」と即答。「両方のチームのエースが来る。まずここに全力で行かないと勝機はない」と続けた。セ・リーグのCSファーストステージで初戦に勝ったチームは、突破率87・5%。データ的にも負けられない第1戦の先発は、才木に託した。「チームの勝ち頭でもあるし、当然1年間ローテーションを守ってくれたピッチャーなので、大事な第1戦を託すのは当然」。チームトップ13勝を挙げ、1年間通じてけん引した右腕に任せることに迷いはない。

風邪で全体練習を休んだ指揮官にとって、この日は3日ぶりの甲子園。一塁ファウルゾーンから、静かに選手たちを見守る姿には戦う気力がやどった。今季のデーゲームの勝率は6割3分6厘と12球団トップで、甲子園では7割8分6厘と圧倒的な強さを誇る。「クライマックスでもっといい試合、最後まで分からない、ファンに感動を与えるようなゲームをやっていきたい」。リーグ戦では最終盤まで巨人を追い詰めながら、優勝の座を譲った。甲子園での熱い戦いから、主役の座を奪い返す。【磯綾乃】

▼阪神は今季デーゲームで21勝12敗1分けで、勝率6割3分6厘は12球団トップ。ナイターの勝率も5割1分と5割以上だが、デーゲームではより強さが光っている。中でも、甲子園では4月から5月にかけて7連勝するなど11勝3敗で勝率7割8分6厘とさらに高い勝率を誇っている。

▼セ・リーグのCSファーストステージでは初戦の白星が非常に重要となる。過去16度のうち初戦白星だったチームは14度ファーストステージを突破しており、突破率は87・5%。また、順位による優劣の差は大きくなく、2位からは7度、3位からは9度ファーストステージを突破している。昨年は8年ぶりに2位チームがファイナルステージに進出したが、今年はどうか。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】下克上へ岡田監督「総決算」カギは初戦「全力で行かないと勝機ない」最高の虎党楽しませる