東農大対日大 2安打完投でリーグ通算15勝目を挙げた日大先発の市川(左)と決勝打の米津(撮影・小沢裕)

<東都大学野球:日大5-1東農大>◇第4週第3日◇10日◇神宮

日大の市川祐投手(3年=関東第一)が東農大に2安打で89球完封勝利でマダックス(100球未満の完封勝利)を達成した。今秋3勝目、リーグ通算15勝目を挙げた。

復調のマウンドだった。第2週の青学大との第1戦では、先発するも前半で打ち込まれ早々に降板。この第4週の1戦目のマウンドは1年生の菅沢宙投手(1年=中京)に譲っていた。「前回までの試合、真っすぐや変化球が全部浮いてしまっていて打たれた。とにかく低く投げることだけを意識。(ストライクゾーンの)四隅にちゃんと投げられた。それが球数の少なさにもつながったと思います」。真っすぐをコーナーに丁寧に投げわけ、打たせてとった。

橘田陸斗主将(4年=山梨学院)の言葉に奮起した。「優勝がなくなったわけじゃない」。今秋、すでに2敗。エースの責任を感じていたとき、声をかけられた。まだリーグ戦は終わっていない。「下半身の粘りがなくなっている」という片岡昭吾監督(47)のアドバイスから、走り込みに、助走をつけたキャッチボールで体重移動を意識するなど、わずかな時間で調整。「ブルペンでは打者を立たせ、試合を想定して真っすぐ、変化球とか投げて練習しました」。リーグ通算15勝目の感想を聞かれ「うれしいです…」と、照れくさそうに笑った。

東農大に2連勝で勝ち点を2に伸ばし5勝3敗。優勝するには1戦も負けられない戦いに、エースの復調と、先は明るい。片岡監督は「優勝を目指して最後まで負けられないので。一戦必勝で。勝ってプッシャーをかけていく」と力を込めた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 日大・市川祐が2安打完封でリーグ通算15勝目 マダックス達成「低めに投げることだけ考えた」