オリックス岸田護新監督(2024年6月16日撮影)

オリックス初の生え抜き監督の誕生だ。オリックスは9日、新監督として岸田護投手コーチ(43)の就任を発表した。

中嶋聡監督(55)の今季最終戦の辞任表明からわずか3日後。昨季までリーグ3連覇した名将のイズムを引き継ぐ適任として白羽の矢が立った。11日に就任会見が開かれる。

球団指揮官では、阪急時代の80年梶本隆夫以来3人目となる投手出身。89年にオリックスとなってからは初めてのプロパー指揮官だ。岸田新監督は現役14年間で先発、中継ぎ、抑えとくまなく経験。通算433試合の裏に故障も多く抱えながら、チームの低迷期を平野佳らと支えた。人望が厚く「マモ」や「マモさん」の愛称で親しまれてきた。

19年の引退セレモニーでは「オリックスは強くなります。長い長いトンネルを抜けようとしています」とファンに約束。大粒の涙を流す長女を抱いてスタンドに手を振った。その言葉通り、背番号18を受け継いだ山本由伸らが軸となり、21年から3連覇。自身は指導者として縁の下から支えた。

今年6月からは2軍から1軍担当となった。「監督のもとでやらせてもらって勉強になった。ミーティングとか話すことすべてが重いなと感じましたね」と肌で感じてきた。自身の知見に中嶋野球をリンクさせ、新たな形で選手に還元していく。

留任見通しの水本ヘッドコーチと今季5位からの立て直しを図る。投手出身だが、今季噴出した課題はリーグ5位の得点力アップだ。中嶋監督が痛烈に指摘したチーム内の「慣れ」も大きな問題。難局を乗り越え、V字回復に導く。

◆岸田護(きしだ・まもる)1981年(昭56)5月10日生まれ、大阪府出身。履正社-東北福祉大-NTT西日本を経て、05年大学生・社会人ドラフト3巡目でオリックス入団。4年目の09年に10勝を挙げ、主力投手へ台頭。翌年から救援に回り、11年の交代完了66試合は同年のパ・リーグ最多。19年限りで引退し、背番号18を山本由伸(現ドジャース)に譲った。現役時代は180センチ、80キロ。右投げ右打ち。20年からオリックスでコーチ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【オリックス】岸田護新監督就任 名将イズム引き継ぐ初の生え抜き 難局乗り越えV字回復へ