ボールを懸命に追う町田MF相馬勇紀(左)

史上初のJ1初昇格1年目での優勝を目指すFC町田ゼルビアが、反転攻勢を誓っている。

10月5日の川崎フロンターレ戦に1-4と敗れ、9月29日のサンフレッチェ広島戦(0-2)に続く完敗を喫した。黒田剛監督が率いて2シーズン目でチームはリーグ戦75試合目にして、初めての連敗となった。順位も優勝争いから一歩後退する形の3位。首位の広島とは勝ち点6差、2位の神戸とは同5差と広がっている。

3日間のオフを挟み、9日に町田市内の練習場で次節・柏レイソル戦(19日・三協F柏)に向け、トレーニングを再開した。日本代表活動中のGK谷晃生、DF望月ヘンリー海輝ら各国代表選手は不在だったが、MF相馬勇紀、FW藤尾翔太ら主力選手たちは連敗ショックの色は見せず、雨が降る寒空のもと精力的に練習メニューに取り組んだ。黒田監督の指導に熱が帯びれば、選手たちも元気な声を響かせ、チームの雰囲気はすこぶる明るいものだった。

オフは家族との時間を過ごしリフレッシュできたという主将の昌子源が、チームの思いを代弁した。

「僕の感覚ですけど、本当にみんないい顔して(トレーニングの再開に)入ってこれたと思う。過去には戻れないので、連敗したことをしっかり受けとめて頑張りたい。僕らももう勝つしか道がないので、しっかり上に食らい付いていく。下に落ちることを気にして次の試合を迎えるより、食らい付く」

この日の練習前にはミーティングで川崎F戦を振り返り、課題を共有した。あらためて町田がコンセプトとする「やらせないサッカー」を徹底していく。

「反省するとかしたので、それをもう1回グラウンドで修正して、自分たちのストロングを伸ばして、勝っていた時の僕たちというか、そういうのをもう1回思い出す。思い出すというか、みんなが分かっていることをしっかりやればピッチで表現する。その中でしっかり勝っていくというのをやっていければ」

昌子は昨季、鹿島に在籍したが、出場機会に恵まれず今季は心機一転、町田でリスタートを切った。

「鹿島で試合に出られなかったと言っちゃえば、(出番に恵まれない)そういう集団が今年はここに集まったので。それぞれが強い気持ちを持って、もう1度、自分の存在というのか、そういうのも含めてみんな来ていると思いますし、悔しい思いをして集まっている。そこをピッチで表現したい」

残り5試合。過去の例を見ても優勝争いはいつも最終節までもつこれんでいる。数字の上では不利な立場だが、可能性はまだ残されている。

「数字で見れば難しい状況にはなってきていますけど、上に付いていく食らい付いていく強さというのは、僕らも経験していかないといけないと思います。逆に逃げる難しさというのもあると思います。最後の最終節で何があるのか分からないのがJリーグのおもしろさ。毎年断トツ優勝があんまりないリーグというか、どこが優勝してもおかしくない」

手痛い連敗は喫したが、それでも誰も気持ちは折れていない。倒されても、倒されても、タオルは投げない。最後のホイッスルが鳴る瞬間まで、町田はファイトし続ける。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【町田】昌子源「みんないい顔して入ってこれた」連敗ショック切り替え、3位からの反転攻勢誓う