青学大対亜大 試合に勝利し肩を組んで写真に納まる青学大・中西(左)と青山(撮影・垰建太)

<東都大学野球:青学大4-1亜大>◇第4週第1日◇8日◇神宮

首位を走る青学大が亜大に先勝した。

雨が降りしきる中、1回表、ドラフト候補で主将の佐々木泰内野手(4年=県岐阜商)が左手に死球を受け交代すると、先発の中西聖輝投手(3年=智弁和歌山)のギアが上がった。「4番(西川史礁)がいないなか、キャプテンも出られなくなった。今までは野手に助けてもらっていたんですが、何とか投手が粘って勝ちたいと思った」。9月25日には同じドラフト候補の西川史礁外野手(4年=龍谷大平安)が右手人さし指のヒビで欠場。打線の柱を欠く中、ここは投手陣の踏ん張りどころ。気持ちを入れ直した。

熱投の中西を後押ししたのは高校の後輩、青山達史外野手(1年=智弁和歌山)だ。2回、1死二、三塁から「史礁さんに泰さんもいなくなった。何とかこの試合は勝ちたいと思ったので」と、外角直球をフルスイングで弾丸ライナーで右翼スタンド中段へ打ち込んだ。「佐々木や西川でもあの弾丸ライナーは打ったことがない。あれは(青山の)天性。青山にしか打てないホームラン」と、安藤寧則監督(47)を唸らせる3ラン本塁打になった。

さぁ、後輩の1発で中西のエンジンはフルスロットルだ。雨で足場が悪い中、四死球を出しながらもキレのいい真っすぐと、フォークを決め球に空振りを奪った。「高校の後輩の青山のホームランが出たり。刺激を受ける場面がいくつもあった。1失点で投げきれたのはチームにとっても自分にとっても大きなこと」。4安打1失点完投で今季4勝目。価値ある1勝に笑顔を見せた。

試合後、青山が「中西さんから『ホームランを見たい』と言われていたので。打てて良かった」と言えば、中西も「やっと大きな1本を見られてうれしい。ありがたいのひと言」と感謝。智弁和歌山コンビがチームの危機を救った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 青学大の智弁和歌山コンビ躍動 中西聖輝が完投勝利、青山達史3ラン 主将死球交代の危機救う