先発を担った東北工業大・仁田(撮影・高橋香奈)

<仙台6大学野球:東北工大2-0仙台大>◇6日◇秋季リーグ第4節第4日◇東北福祉大球場

東北工大は、先発の仁田滉人投手(4年=利府)が5安打8三振で完封勝利を挙げた。打線が2回に佐久間永翔外野手(3年=白石工)の中前適時打、6回に佐藤玲磨外野手(1年=東北)の右前適時打で追加点を挙げ援護。仙台大に勝利し、2勝1敗で11年ぶりに仙台大から勝ち点を手にした。

148球の力投は、仁田にとって大学最後のマウンドだった。「見に来てくれている家族や友人にいいピッチングをみせたい」。今までの野球人生で支えとなったすべての人への感謝を込めて、ボールを投げた。「連打で勢いづく仙台大打線に連打を許したくない」とスコアボードに0を並べた。

7回は三塁まで走者を進めるピンチも「冷静に」抑えた。ラストバッターは苦手意識のあった平野裕亮外野手(4年=山村学園)。三振に抑え、静かにガッツポーズした。「今までで一番のピッチングだった」と振り返った。

大学に入ってからは腰や肘の故障もあり、体のことも考慮した上、野球はこの春までと考えていた。しかし、リーグ戦では好投しながらも仙台大に敗戦し「このままでは終われない」と決意した。同じ4年生の先発、後藤佑輔投手(4年=東北)のことを「練習の鬼」と呼び、お互い刺激し合う関係で秋まで切磋琢磨(せっさたくま)してきた。仙台大戦は1回戦で後藤も完封。2人で勝ち点に貢献し、秋まで野球を続けた意味のある結果となった。

仁田は大学で野球を終える。苦楽をともにした仲間のことに触れ「たまに再会して思い出話ができる。そんな関係でいたい」と満ち足りた表情で語った。【高橋香奈】

◆優勝の行方 最終節(12、13日)で対戦する仙台大、東北福祉大の2校に絞られている。仙台大は2勝負けなしで勝ち点を挙げた場合のみ優勝。1敗でもすれば、東北福祉大が優勝となる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 東北工大・仁田滉人5安打8奪三振完封勝利「今までで一番の投球」大学最後のマウンド終え感謝