会見を行ったドジャース大谷翔平(AP)

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)4日(日本時間5日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が胸を張り、いよいよ初のポストシーズン(PS)に挑む。パドレスとの地区シリーズが5日(同6日)から開幕。先発の山本由伸投手(26)と、日本人コンビで先陣を切る。メジャー7年目で初の大舞台。緊張を問われて即座に「ノー」と笑顔で答えるなど、自信をみなぎらせた。過去6年間の思い、今季の心の動き、第2戦で対戦するパドレス・ダルビッシュ有(38)へのリスペクト、同僚の山本への期待など、17分間でさまざまな心情を語った。

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大谷はワクワクしているようだった。緊張を問われて、即答で「ノー」。ニンマリ笑った。その心持ちになれる要因を聞かれ、胸を張って言った。

「そのためにやっぱり小さい頃から練習してきていますし、こういう舞台でプレーしたい思いでやってきているので。そこが一番。やっぱり楽しみだなっていうのは、どちらかというと今は大きいかなと思います」

メジャー挑戦から描いていた夢舞台。過去6年間、思いがつのった。

「ドジャースが優勝した時(20年)も見てましたし、手術明けで病室で見てたのも覚えてますし、悔しい思いの方が強い」

待ち望んでいた挑戦にふさわしい、強豪パドレスとの決戦シリーズとなる。

「同地区のライバルが相手なので、なおさら皆の士気も高いと思います。ファンの人もそうだと思いますけど、僕としては(移籍して)1年目で、そういうところでプレーできるのをまず感謝したい」

限られた強豪チームしか味わえない、10月に野球が出来る機会をかみしめる。第2戦では先輩として慕うダルビッシュと対戦。野球少年の頃を思い出した。

「僕の小さい頃のスター選手というか、メジャーリーグでも、日本でプレーしていた時もずっと見てきた選手の1人。そういう選手とポストシーズンで対戦できるかもしれないのは自分にとってもすごく大きいこと。由伸と投げるのを個人的には望んでましたけど、それは多分ないと思うので。自分が対戦した時に、そこを楽しみに頑張りたい」

ダルビッシュVS山本。実現しなくとも、笑顔で語った。同僚の山本は第2戦から急きょ、第1戦で先発。力強く背中を押した。

「やっぱりうれしいですね。由伸が(ドジャースに)来てくれたのも、うれしいですし。ケガもあって本人も悔しいシーズンだったと思いますけど、それでもポストシーズンの1戦目にこうやって先発するっていうのは、それだけ信頼を得ている証拠だと思うので。自信持っていいと思いますし、その試合で一緒に出られるのは特別かなと」

常勝球団の一員として、山本とともに駆け抜けた1年。山あり谷ありだった。

「シーズン当初は、早くチームの一員にというか、それを結果で示したい、気持ち的に先行してたのかなっていうのが、今思うとちょっと強いかなと。後半になるにつれて、そういう気持ちもちょっとずつ抜けてきて、本当に自分本来の打席が多くなってきたのかなという印象はあります」

全力を尽くす。その舞台と準備は、整っている。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平、病室で見ていた20年ドジャースV「悔しい思いの方が強い」初ポストシーズンに自信