東大対慶大 3回裏慶大無死満塁、清原は中前適時打を放つ(撮影・鈴木正人)

<東京6大学野球:東大3-5慶大>◇第4週第1日◇5日◇神宮

プロ通算525本塁打の清原和博氏(57)を父に持つ慶大・清原正吾内野手(4年=慶応)が、ジュニア対決を制した。1点を追う3回無死満塁、元ロッテ渡辺俊介氏(48)の長男で、父と同じアンダースロー右腕の渡辺向輝投手(3年=海城)から同点適時打。2安打1打点の活躍で先勝に尽力した。早大はエース伊藤樹投手(3年=仙台育英)が立大を9回1失点に抑えて完投勝利。リーグ通算10勝目をマークした。

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清原がジュニア対決に勝利した。ここまで2カードを終えて勝ち点0の慶大は、負けられない東大1回戦でいきなり初回に3失点を喫した。苦しい展開からスタートも、清原の一打で勝利を呼び込んだ。

1-3の3回。無死満塁から3番水鳥遥貴内野手(4年=慶応)の押し出し死球で1点差となった。清原は「前の水鳥が死球だったので、本当に僕はもう集中して初球を捉えるイメージで」と仲間への死球でより一層火が付いた。

対する投手は、同じく父親が元プロ野球選手の東大・渡辺。初対戦ながらアンダースロー右腕を苦にすることなく、初球109キロスライダーを中前に運んですぐさま同点に追い付いた。勢いに乗った慶大は次打者の左犠飛で勝ち越しに成功。現在首位タイの明大を相手に、8回無失点と好投していた渡辺を3回0/3で4点を奪いノックアウトした。

渡辺攻略の背景には同期の存在があった。ベンチ外の同じアンダースロー右腕、阿蘇瑠河投手(4年=慶応)に投げてもらった。「ベンチ入りメンバーの技術だけでなく、サポートしてくれている選手たちのおかげでもある。本当に感謝しています」と丁寧な口調で話した。

プロの舞台で父親同士の対戦はなかったが、清原と渡辺は9月にエスコンフィールドで開催された東京6大学オールスターで共演。そこで親交を深め、食事にも行った仲だ。この日は7回にリーグ戦初盗塁も決めた。50メートル走のタイムは「最近測ってないですけど、年々足は速くなっています」と笑って見せた。ジュニア対決の勝利を励みに、連勝で今季初の勝ち点を目指す。【佐瀬百合子】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 慶大・清原正吾、ジュニア対決制した東大・渡辺向輝とは食事に行く仲「初球を捉えるイメージで」