プロ野球西武の今井達也投手が、キャンプインを前に充実のオフを過ごしている。「鴻江スポーツアカデミー」が主催する合宿が20日まで福岡県久留米市内で行われ、後輩の隅田知一郎投手らと参加。スポーツトレーナーの鴻江寿治さん(56)の指導の下、新球種の習得に手応えを得た。 鴻江さんは人間の体を「猫背タイプ」と「反り腰タイプ」の二つに分類する独自の理論を持つ。これを野球のトレーニングにも応用し、それぞれのタイプに合う投球フォームや動作の指導を行う。過去には巨人の菅野智之やソフトバンクから米大リーグのメッツに移籍した千賀滉大ら、球界を代表する投手が鴻江さんの合宿に参加してきた。 初参加の今井は、試合で投げたことがないというフォークボールの習得に励んだ。鴻江さんによれば、今井のような「反り腰タイプ」の投手は、投球時に体の開きを抑えることが大切になるという。球の握り幅を浅くすることで落差が生まれるとの助言も受け、早速マウンドで実践に移した。 一球投げるごとに鴻江さんから身ぶり手ぶりを交えた指導を受け、丁寧に感覚を確かめた。「フォークは(球を指で)深く挟むものだと思っていたが、そうすると逆に球が落ちないと教わった。5年間落ちなかった球が、5秒で落ちた」と今井。短期間でも劇的な変化を実感した。 自らの体に合うトレーニング方法を吸収し、フォークの習得以外にも発見が多かったようだ。「(鴻江さんの指導は)すごくしっくりくる。今年一年間は自分の体を正しく使うことをメインにやっていきたい」。自身初の2桁勝利への期待もかかる24歳。オフに得た学びを胸に、7年目のシーズンを飛躍の年にする覚悟だ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1月の自主トレーニングで投球練習をする西武の今井=福岡県久留米市 〔写真説明〕1月の自主トレーニング中に、スポーツトレーナーの鴻江寿治さん(左)から指導を受ける西武の今井=福岡県久留米市