自動車の世界ラリー選手権(WRC)の2023年シーズンは、19~22日にモナコとフランスを舞台に行われる伝統のラリー・モンテカルロで開幕する。11月の最終戦ラリー・ジャパンまで全13戦。今季からトヨタのトップチーム、「トヨタ・ガズーレーシング・ワールドラリーチーム」に昇格した勝田貴元(29)にとっては自身初優勝、日本勢2人目のWRC勝利を目指す大事なシーズンになる。 「これまでよりプレッシャーも増えるが、チームのために自分ができるベストを尽くしたい」と勝田。総合優勝8度のセバスチャン・オジェ(フランス)とチーム3台目のシートをシェアし、オジェが参戦するラリーでは昨季まで同様、トヨタのWRCチャレンジプログラムにより4台目のGRヤリスで出場。今季も全戦に参戦する。 勝田はトヨタ育成ドライバーとして21年からWRCにフル参戦。同年のサファリラリー(ケニア)で2位に入り、日本人で唯一、WRCで優勝経験(通算2勝)がある篠塚建次郎以来、日本勢2人目のWRC表彰台を記録した。昨季もラリー・ジャパンを含めて3位を2度マーク。急成長を評価されての昇格になった。 トヨタは昨季、カッレ・ロバンペラ(フィンランド)がWRC史上、最年少の22歳で年間王者となり、製造者部門も制した。今季は3年連続のチーム2冠へ、GRヤリスに新スペックのエンジンを導入するなど総合力向上を図った。 「連覇は簡単ではないと分かっているし、競争のレベルは常に上がっている。自分たちの力を高めて、激しくプッシュし続けなければならない」とロバンペラ。激しい戦いがまもなく幕を開ける。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕昨年のラリー・ジャパンで3位に入り、笑顔で手を振るトヨタのドライバー、勝田貴元=2022年11月13日、愛知・豊田スタジアム