フリースタイルスキー女子モーグルの川村あんり(東京・日体大桜華高)が、フランスのアルプデュエズで17日に行われたワールドカップ(W杯)でデュアルモーグル初優勝を飾った。2人が同時に滑って勝ち抜き方式で争うデュアルは、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪で新たに正式種目となった。苦手意識を克服し、さらなる自信を付けた。 同じ会場で行われたモーグルでは、21年3月の世界選手権以来となる予選敗退。「公式練習ですごく調子が良かったので、自分の120%を出そうとしてしまった」。その反省を生かし、確実な滑りでミスを減らすことを心掛けた。 デュアルは相手を意識してしまうため苦手と自認していたが、「自分の滑りだけに集中すれば勝てる」。2月の北京五輪を制したジャカラ・アンソニー(オーストラリア)を準決勝で、18年平昌五輪女王のペリーヌ・ラフォン(フランス)を決勝で破った。W杯通算4勝目を挙げ、「びっくりした。自分の滑りにもすごく満足している」。 18歳で伸びしろは十分。夏場に積み重ねた練習が大きな自信になった。今季はここまでW杯5戦のうち4戦で表彰台に立ち、世界のトップに定着。「準備してきたことを大会の中でも出せた」と満足感を口にした。 年が明ければW杯が再開し、2月には世界選手権(ジョージア)が開幕する。第1エアの完成度を課題に挙げ、「もっと滑りの質も上げながら、優勝回数を増やしていきたい」。貪欲にさらなる高みを目指す。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕フリースタイルスキー・ワールドカップ(W杯)モーグル第2戦、川村あんりのエア=10日、スウェーデン・イドレ(AFP時事)