大一番でアルゼンチンの粘り強さが光った。後半30分ごろまで主導権を握れたのは、球際の激しさで上回ったから。ボールを奪われても、素早く帰陣してピンチを早めに回避した。 延長後半、土壇場で再び同点とされた後には大ピンチが訪れた。ロングボールでDFラインの背後を突かれ、フランスのコロムアニがGKと1対1に。絶体絶命と思われた中、GKのE・マルティネスが重心を落として必死に足を広げると、シュートは左足に当たって事なきを得た。 「本当に苦しい試合だった。延長でも追い付かれて、僕たちは苦しむ運命なのだと思う」。そう振り返った守護神がPK戦でヒーローになった。 コースを読み切り、2人目のコマンのシュートを止めると、重圧がかかったのか、3人目のチュアメニも失敗。アルゼンチンは4人目のモンティエルまで全員が成功させ、歓喜の瞬間が訪れた。 最後のW杯と位置付けたメッシを中心に、ここまでチームが一つになって走ってきた。南米のチームらしいしたたかさと、献身的な戦いぶりを兼ね備えた集団。デパウルは「みんな一緒に勝者になった。このうれしさは説明できない」。試合後、選手たちはシャンパンの瓶を手に大合唱しながら、興奮冷めやらぬ様子でミックスゾーンを通り過ぎた。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕PK戦でフランスのコマンのシュートを止めるアルゼンチンのGK、E・マルティネス=18日、ルサイル