c 試合終了のブザーを聞いたENEOSの渡嘉敷は、天井を見上げて歓喜の声を上げた。「苦しい展開もあったが、最後まで踏ん張ることができた」。40分間のフル出場で32得点、22リバウンド。圧倒的な数字を残してチームを前人未到の10連覇に導いた。 主戦場で攻守にわたって体を張り、ゲームを支配した。「ゴール下は負けられないし、誰にも負けていない。自分を止められるのは自分だけ」。守備では相手の得点源である高田とマッチアップし、わずか4得点に封じた。1点を追う最終クオーター開始早々、ゴール下から得点。これが試合を決定づける連続得点の呼び水となり、長岡、星が3点シュートで続いた。 Wリーグではトヨタ自動車に連覇を許し、今季も開幕から8試合で早くも3敗。常勝チームも近年は強さを見せられていない。不安を抱えながらも今大会で偉業を成し遂げたことは、覇権奪回へ大きな自信となる。渡嘉敷は「勝ってよかったが、ここは通過点。『皇后杯だけ強い』と言われないように、リーグでも頑張りたい」。心から喜ぶのは、2冠を達成してからだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕デンソー戦の第1クオーター、シュートを決めるENEOSの渡嘉敷=18日、東京・代々木第2体育館 〔写真説明〕デンソー戦の第4クオーター、ドリブルするENEOSの渡嘉敷(右)=18日、東京・代々木第2体育館