王者フランスは、グリーズマンがいなければどうなっていたか。ピッチのどこにでも顔を出し、走行距離は11キロ超え。攻守両面での貢献ぶりが際立った。  前半5分。素早く前方へ動きを切り替えて相手の裏へ抜け出し、右サイドでスルーパスを受けると中央のエムバペに折り返した。このこぼれ球から先制点が生まれ、「先制できたことで余裕はあった」。後半にはエムバペに鋭い縦パスを送り、相手を脅かした。  攻撃面以上に目を引いたのは献身的な守備。主導権を握られてモロッコに攻め込まれる時間帯が続く中、何度も自陣深くまで下がってピンチを救った。中盤では激しくプレスをかけてボールを奪い、ファウルを誘ってチームを落ち着かせた。  前回大会はエースとして4得点2アシスト。決勝では勝ち越しのPKを決めて歓喜の涙を流した。スペイン1部リーグのアトレチコ・マドリードで主力の31歳は今大会、中盤で黒子に徹する。無得点ながらエムバペやジルーの好機を演出し、大会トップに並ぶ3アシスト。前線に残るFWの分も汗を流してスペースを埋める。  勝利の瞬間、両手を突き上げた。決勝では連覇を懸けてアルゼンチンとぶつかる。「メッシがいる。彼らのプレーは分かっている。決勝に集中している」。前回と立場は変わっても、泥臭く頂点へ導く。 (アルホル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、競り合うフランスのグリーズマン(左)とモロッコのブファル=14日、アルホル
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 グリーズマン、泥臭く=黒子に徹する前回エース―W杯サッカー・フランス