したたかで勝負強い本来のクロアチアらしさは影を潜めた。2大会連続の決勝進出を狙った一戦でアルゼンチンに0―3の完敗。ダリッチ監督は「敗北に値する。ハイレベルなパフォーマンスは予想以上だった」と言い、潔く南米王者の強さを認めた。 互いに慎重な立ち上がり。ボールを支配したのはクロアチアだったが、老かいな相手に一瞬の隙を突かれた。 縦パス1本でゴール前まで運ばれ、GKリバコビッチがアルバレスを倒してPKを与えた。これをメッシに決められて前半34分に先制を許すと、直後にはCKから一気に逆襲された。指揮官は「少し簡単なミスが重なってしまった」。5分間で失った2点が重くのしかかった。 日本、ブラジル相手に続けて120分戦った疲れは明らか。ゴール前に迫ってもボールを失う場面が多く、アタッカー陣は積極性を欠いた。「機動力がなく、具体性がなかった」と監督。相手の激しい守備にも苦しみ、頼みのモドリッチも局面を打開するまでには至らなかった。 準優勝した前回ロシア大会は、準決勝までの全3試合で延長戦を乗り越え、勝ち上がった。世代交代を進めた今回も、変わらぬ驚異的な粘り強さを見せたものの力尽きた。指揮官は「次世代にとっても3位に入ることが大事」。臨む舞台は4年前と違うが、今度は勝って締めくくる。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、アルゼンチンに2点目を決められ、肩を落とすクロアチアの選手たち=13日、ルサイル 〔写真説明〕後半、選手に指示を出すクロアチアのダリッチ監督(手前)=13日、ルサイル 〔写真説明〕アルゼンチンに敗れ、ピッチを後にするクロアチアのモドリッチ(中央)ら=13日、ルサイル