8月に行われたゴルフの全米女子アマチュア選手権で、馬場咲希(17)=東京・代々木高=が日本選手として服部道子以来、37年ぶりの優勝を遂げた。高い目標を持ち続けたことが大きな飛躍へとつながった。 17歳の誕生日でもあった4月25日、千葉県で開催された全米女子オープンの日本地区最終予選会でビッグチャンスをつかんだ。プロ選手も多く参加した中で4位タイとなり、プレーオフの末に出場権を勝ち取った。試合後に本戦での目標を聞かれると、少し笑いながらも「優勝」と言い切った。 そして6月の本戦では決勝ラウンドに進出し、最終順位は49位。難しいセッティングに対応してみせ、「全米女子アマの出場権をもらったきっかけが、全米女子オープンの予選通過。そこで4日間戦えたことが全米女子アマにつながった」と振り返った。 全米女子オープンで得た確かな自信は、目指すプレースタイルにも好影響を与えた。身長175センチと恵まれた体格から繰り出す飛距離だけでなく、ショットではピンを積極的に狙い、パットもしっかり打つなど、「攻めのゴルフ」を展開できるようになった。 36ホールのマッチプレーで争った全米女子アマの決勝では11アンド9で圧勝。「強気のゴルフでピンを狙ってたくさんバーディーを取ることができた」。攻めるスタイルが大きく花開いた勝利でもあった。 強気なプレーの裏付けには、しっかりした体づくりもあった。「今年の春は試合もなかったので、トレーニングと食事で体ができていた」。試合が続くようになった夏場以降は体重管理なども難しくなっていったが、体の基盤ができたことで、全米女子アマの後も国内ツアーなどで戦うことができた。 ほぼ無名の存在から、日本で最も有名な女子アマチュアゴルファーへ。将来的な米ツアー挑戦を掲げる馬場にとって、2022年は大きなターニングポイントになった。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ゴルフの全米女子アマチュア選手権で優勝した馬場咲希=8月14日、米ワシントン州ユニバーシティープレースのチェンバースベイGC(USGA提供) 〔写真説明〕全米女子オープンゴルフの第2ラウンドでティーショットを放つアマチュアの馬場咲希=6月3日、米ノースカロライナ州サザンパインズ(AFP時事)