弱気だった過去の自分と決別できた。日本がPK戦の末、惜しくも8強入りを逃した5日のクロアチア戦。1―1のまま120分間の戦いを終え、森保監督がPK戦のキッカーを募ると、三笘(ブライトン)は迷いなく立候補した。 昨夏の東京五輪。準々決勝のニュージーランド戦は互いに無得点のままPK戦に突入した。A代表と兼任していた森保監督は、当時も選手による立候補でキッカーを決めていた。三笘は「後ろの選手になればなるほど緊張感は増す。自信があるわけではなかったので、できれば回ってこないでほしいと思っていた」。 結果は4人目で決着がつき、日本は4強入り。三笘に順番は回らなかった。 今回は違った。1番手の南野(モナコ)に続いて、三笘が手を挙げた。「気持ちが強くなったのは確か。決めても外しても、その責任は負おうと思った」 しかし、左に蹴り込んだシュートはGKリバコビッチに止められた。背番号9は試合後、涙が止まらなかった。 「いろいろ思う部分はあるが、名乗り出たことに後悔はない。今後必ずと言っていいほどその局面が出てくると思うので、絶対糧になる」。攻撃の切り札として、1次リーグでのドイツ、スペイン撃破に大きく貢献した25歳。大舞台で得た経験は無駄にはしない。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕クロアチア戦、ドリブルで持ち込む三笘(右)=5日、アルワクラ(AFP時事) 〔写真説明〕クロアチア戦、PK戦で日本の2人目のキッカーを務めて失敗した三笘=5日、アルワクラ(EPA時事)