またも空気をがらりと変えてみせた。後半開始から投入された堂安だ。3分、左サイドから三笘、前田と連動して圧力をかける。相手GKにボールを蹴らせ、伊東が競ったこぼれ球を堂安が右サイドで収めた。 的確なトラップで中央寄りの絶好の位置にボールを置き、思い切り左足を振り抜いた。ゴール右へ逃げるような強烈なシュート。GKに触られたものの、ゴールネットが揺れた。「フリーにさせると堂安律は危ないので。決めました」と独特の言い回しで胸を張った。 同点ゴールで大金星を引き寄せたドイツ戦の後、「欧州がちょっとアジアをなめているところがある。ふざけんなと思っていた」と吐露した。早くから将来性を期待され、19歳で海外挑戦。オランダ、ドイツでもまれながらも手応えを得てきたからこそ、もっと世界の舞台で戦えるとの思いがあった。 次はチームが目標に掲げる8強入りを懸けた戦いになる。厳しい組を堂々の1位で通過した立役者は「このグループを突破すれば、僕が大会前に言っていた優勝という目標も冗談ではなくなる。やっと皆さんが信じてくれると思う」。はっきりと語る口ぶりに、確固たる自信が漂った。(ドーハ時事)。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕決勝トーナメント進出を決め、笑顔を見せる堂安=2日未明、ドーハ