試合終了の笛が鳴ると、選手はピッチに座り込んでうなだれた。ベルギーの「黄金世代」が集大成となるW杯で、まさかの1次リーグ敗退。デブルイネは涙を拭い、ルカクはベンチの壁を殴って悔しさをあらわにした。 デブルイネを軸に再三つくった好機を生かせなかった。後半から故障明けの主力FWルカクを投入。しかし、ペナルティーエリア内の決定機で放ったシュートはポストをたたき、終了間際には右クロスがゴール手前1メートルのルカクに渡ったが、胸でのトラップをミスし、ボールは相手GKがキャッチ。調整不足は明らかだった。 E・アザールら欧州の名門クラブに所属するタレントがそろい、ベルギー史上最高の世代と言われてきた。前回大会は決勝トーナメント1回戦で日本の8強入りを阻み、過去最高の3位。今回は円熟期で迎えたが、第2戦で格下モロッコに0―2と苦杯をなめ、チームの輪に亀裂が入ったと報じられた。 前回準優勝のクロアチアから勝利が必須な崖っぷちでも、スイッチが入るのは遅かった。2016年から率いてきたマルティネス監督は試合後、退任を表明。「悔いはない。選手が残してきた結果に満足している」と目を潤ませた。「赤い悪魔」の一時代が終わりを告げた。 (アルラヤン時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕1次リーグ敗退が決まり、ぼうぜんとするベルギーのGKクルトワ(左端)ら=1日、アルラヤン(AFP時事)