守りを固めて悠々とパスを回すオーストラリアを前にして、デンマークは焦りの色をにじませていった。後半に入って次々と攻撃的な選手を投入してもゴールは遠い。試合終了の笛を聞くと、ぐったりとした表情で肩を落とした。 課題とされてきた攻撃面で、序盤はゴール前に迫る場面もあったが徐々に失速した。左サイドから豊富な運動量のメーレが何度も攻め込むも、その先の選択肢が乏しい。シュート本数は豪州を大きく上回ったが、強引なミドルシュートも多く、相手を脅かすには至らなかった。 3試合で1得点に終わり、ユルマン監督は「フラストレーションを感じる」と悔しさをあらわにした。前回ロシア大会の1次リーグで引き分けたフランス、豪州と今回も同じ組に入り、いずれも屈して敗退に終わった。 昨年の欧州選手権で4強入りするなど前評判は高かった。16強入りした前回大会以上の結果も期待されていただけに、「チームは全力を尽くせなかった。私の責任だ」と指揮官。北欧の雄が、よもやの最下位で散った。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、シュートを放つデンマークのスコウオルセン(左手前)。右手前はディフェンスする豪州のベヒッチ=11月30日、アルワクラ(AFP時事) 〔写真説明〕前半、競り合うデンマークのリンドストロム(中央)と豪州のレッキー(左端)、デゲネク(右端)=11月30日、アルワクラ