世界屈指のタレントがそろうベルギー。ボール保持で圧倒したものの、終始慎重だった攻めの姿勢があだとなった。 中央を締めるモロッコ守備網の内側に進入できない。最前線のバチュアイが起点となれず、最終ラインやサイドでパスを回す時間が長かった。中盤のオナナは「ポゼッションは完璧に近かった。点を取るのが難しかった」。 前線からの守備は連動性を欠き、速攻を受ける羽目に。1点を追う残り10分ほどで故障明けのルカクを投入したが、打開策とはならなかった。 カナダとの初戦も特に前半は低調な内容。それでも1―0と辛勝し、グループリーグに限るとブラジルが2度マークしたW杯最長記録に並ぶ8連勝を達成したが、1994年大会のサウジアラビア戦以来となる黒星を喫した。 最終戦は前回準優勝のクロアチアとの強豪対決。マルティネス監督は「失うものは何もない状況になった」。勝てば自力で決勝トーナメント進出を決められる一戦へ、覚悟を固めた。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、競り合うベルギーのルカク(右)とモロッコのサイス=27日、ドーハ(EPA時事)