前回3位の強豪を相手に、モロッコがまたも互角以上に渡り合った。2人、3人と連動して中央を固め、ベルギーに起点をつくらせない。デブルイネ、E・アザールのコンビによる速攻を受けても、素早い帰陣でしのぎ切った。 0―0のじれるような時間が続いたが、後半28分、左サイドからのFKに触れたサイスが先制ゴール。これで流れが変わった。ロスタイムには駄目押し点も決まり、自国のサポーターで埋まったスタジアムが割れんばかりの歓声に包まれた。 「ベルギーはこの組の大本命だ。タフな試合になるだろう」と話していたのはレグラギ監督。その予想通り、相手にボールを持たれる場面も目立ったが、サイスを中心とした守備の意識は高い。最後まで足を止めず、前回準優勝のクロアチア戦に続いて、ゴールを許さなかった。 W杯の勝利は24年ぶり。ベルギーとクロアチアの2強と目されたF組。波乱が続く中東の地で、モロッコも旋風を巻き起こしそうだ。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、モロッコのサイス(右)が先制ゴールを決める。ベルギーのGKはクルトワ=27日、ドーハ(EPA時事)