フランスのデシャン監督が絶対の信頼を置くエースのエムバペ。連覇を狙う今大会は「彼の大会だ」とまで言い、個の力で難局を打開することを期待する。勝てば1次リーグ突破が決まる第2戦。指揮官が思い描いた通り、背番号10は2ゴールでチームを決勝トーナメント進出に導いた。 前半はデンマークから徹底マークに遭い、持ち前のスピードは影を潜めた。ハーフタイムが明けると、たまったフラストレーションをはき出すかのように左サイドで躍動した。後半16分、サイドバックのT・エルナンデスと流れるようなパス交換から均衡を破る先制点。同点で迎えた同41分には右からのクロスに飛び込み、太ももで押し込んだ。 まさに個の力でゲームを決めた姿には、指揮官も大興奮。「彼は突出した選手だ。決定力があり、違いを生み出すことができる」と最大級の賛辞を贈った。今大会はこれで3ゴール目。W杯通算では7得点とし、13得点のレジェンド、フォンテーヌに次ぐ同国歴代2位となった。 前回優勝国の16強入りは4大会ぶり。監督は「心配はしていなかったが、まずは第一の目標を達成した」。エースの活躍で、今年2連敗を喫していた「難敵」デンマークを撃破。フランスが勢いに乗った。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、2点目のゴールを決めるフランスのエムバペ(上)=26日、ドーハ 〔写真説明〕決勝トーナメント進出を決め、喜ぶエムバペ(中央)らフランスの選手たち=26日、ドーハ