南野にとって8年越しの思いが実った瞬間だった。ドイツとの初戦で悲願のW杯初出場。「もしかしたら、自分のサッカー人生で思い出に残る代表の試合になるかもしれない」。予感は当たる。堂安の同点ゴールを導き、歴史的勝利に大きな貢献を果たした。 2014年ブラジル大会は予備登録メンバー、18年大会は落選。27歳にして今大会を迎えた。 ドイツ戦を含め出場43試合、17得点は共に森保ジャパン体制下で最多。チーム発足時から長く主力を担ってきたが、昨季まで所属したリバプール(イングランド)で苦しみ、鎌田、久保、三笘らの台頭に押され、ベンチからスタートする立場となった。 「誰が出ても日本が勝つことが一番だと思っている。途中からであっても、チームのためにやるべきことをやることしか考えていない」。最後の交代カードとして投入されたドイツ戦で、交代直後に左クロスから堂安の得点が生まれた。まさに有言実行の活躍だった。 C大阪の先輩でもある香川慎司(シントトロイデン)から引き継ぐ形で日本の10番を背負う。前回大会で香川も、前評判を覆してベスト16進出の立役者となった。 「大舞台でどういう準備をしている選手が試合を決めるかは、分かっているつもり。また次、いい仕事をしたい」。この4年では、成功もあれば苦悩も味わった。その全てを力に変え、W杯の舞台にぶつける。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ドイツ戦の後半、攻め上がる南野(左)=23日、ドーハ