まさかの失敗に、ポーランドのレバンドフスキは思わず両手で頭を抱えた。これまで何度も決めてきた絶対の自信を持つPK。呼吸を整え、小刻みな助走から丁寧にゴール右を狙ったシュートはコースが甘く、GKオチョアにはじき出された。 後半8分すぎ。前線で複数の選手に囲まれながらパスを受け、鋭く反転してゴールへ向かった。ユニホームをつかまれても構わず突進し、たまらず足を伸ばしたDFモレノに倒されてPKを獲得。試合を通して厳しいマークに遭い、ボールに触れることすらままならない中、自らの手でたぐり寄せた千載一遇のチャンスだった。 初出場だった前回大会は無得点に終わり、チームも1次リーグ敗退。「キャリアの中でも大きな失望の一つだった」という経験を糧に、世界最高のストライカーと称されるまでに成長した。 大会前のインタビューで「自分にとって最後のW杯になる。ゴールを決める夢をかなえるため、全てを尽くすつもりだ」と話していた。待望の初得点はお預けとなったが、ミフニエビッチ監督は「彼は今大会中に一度ならずチームを助けてくれるはずだ」と変わらぬ信頼を口にした。次こそは期待に応え、自身の夢をかなえたい。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕PKを止められ、頭を抱えるポーランドのレバンドフスキ=22日、ドーハ(AFP時事)