米国に2大会ぶりとなる得点をもたらしたのはFWウェアだった。前半36分。中央をドリブル突破したプリシックからのスルーパスに反応。相手GKが出てきたのを確認しながら落ち着いてゴールに流し込んだ。 22歳のウェアはパリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織などでプレーし、2019年にリールと5年契約を結んだ。18歳で米代表入り。デビューして間もなく得点を挙げるなど存在感を発揮し、前線のポジションをつかんだ。 父は元リベリア代表で、同国大統領のジョージ・ウェア氏。PSGやACミランなどで活躍。「リベリアの怪人」と称され、1995年にはアフリカ選手初のバロンドール、国際連盟(FIFA)最優秀選手にも選ばれた。その遺伝子を受け継ぐ「怪人2世」は相手のDFラインの裏へ何度も飛び出し、好機を演出した。 世界的な活躍を見せたジョージ氏だが、W杯とは縁がなかった。ウェアは「彼のためにゴールを決められて、とてもうれしい。チームの力になれて幸せ」。偉大な父の思いも背負い、夢舞台で躍動した。 (アルラヤン時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決め喜ぶ米国のウェア=21日、アルラヤン(AFP時事)