意欲も雄たけびも、まだ枯れることはない。プロ野球ソフトバンクを退団した松田宣浩内野手(39)は、15日に行われた巨人の入団会見で「僕は野球が大好き。若く熱く元気にプレーしたい」。新天地で迎える18年目に思いをはせた。 通算301本塁打を誇り、日本一に7度も貢献。盛り上げ役も務める中、今季は不振に苦しんだ。43試合の出場で、初めて本塁打なし。「チームの勝利が第一」と「ずっとベンチはきつい」という心情の間で揺れ動いた。 来季の構想外と9月に伝えられたが、現役続行を決意。のちに巨人からオファーを受けた。「ムードメーカーというより、日本一になるための戦力という言葉をもらった。うれしかったし、責任感も出た」。意気に感じるには十分だった。 一方で定位置確保の道は険しい。本職の三塁には岡本和、一塁にも中田が座る。代打もあるが、目指すのはあくまでレギュラー。今季は2軍で外野守備の練習にも励み、「とにかくチームに貢献したい。どこでも守るつもり」と背水の陣を敷く。 通算2000安打まで169本。本塁打の後に右拳を突き上げて「熱男(あつお)」と叫ぶパフォーマンスを続けるかは「その時の雰囲気で決める」と笑う。「経験を生かし、日本一を」。チームメートと喜びを共有する機会が多いほど、その夢は近くなる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕巨人に入団し、記者会見する松田宣浩内野手=15日、東京都文京区