【ケルン(ドイツ)時事】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本とドイツが1次リーグE組初戦で顔を合わせる。元西ドイツ代表で、Jリーグでも活躍したピエール・リトバルスキーさん(62)が時事通信社のインタビューに応じ、自身のW杯の思い出や今大会への期待などを語った。 リトバルスキーさんは、世界を魅了したドリブルの名手。W杯は3大会連続で出場し、優勝1度、準優勝2度に貢献した。初出場となった1982年スペイン大会ではデアバル監督から「とにかく楽しめ」と声を掛けられたという。「緊張が吹き飛び、プレーできる喜びにあふれていた」。90年イタリア大会は決勝でマラドーナ率いるアルゼンチンを撃破した。「『恐れる相手ではない』と思えたことが実を結んだ」と振り返った。 93年、Jリーグの市原(現千葉)に加入。そこから日本との親交が年々深まり、今では「日本は第二の故郷」と話す。23日に行われる母国と日本の激突を「複雑な心境だが、お互いどんな戦術で挑むか非常に興味深い」と心待ちにしている。 日本については、前回ロシア大会でベルギーに惜敗した一戦を「素晴らしい試合だった」と評価。「日本の選手たちは欧州主要リーグで経験を積み、成長を遂げている」と指摘し、森保ジャパンにとって悲願となる8強入りも可能と後押しする。 ドイツに対しては「まだベストメンバーを探っている」との見解。「大柄なDF陣が、(日本の)俊敏な攻撃陣や、鎌田(大地)のように2列目から上がってくる選手を捕まえるのに苦労するかもしれない」とも。フリック監督とは旧知の仲で「彼は穏やかそうに見えるが、実は底なしの負けず嫌い」と付け加えた。 カタール大会は異例の11月開幕。「どんな大会になるか想像するのが難しいが、芝の上で起きる魔法の数々が集約されるのがW杯。見ている人が夢中になれるような大会となるよう祈りたい」と期待を寄せた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える元西ドイツ代表のリトバルスキーさん=10月21日、ドイツ・マンハイム 〔写真説明〕W杯史に残る名勝負となったスペイン大会準決勝のフランス戦でプレーする、西ドイツ代表時代のリトバルスキーさん(手前右)=1982年7月、スペイン・セビリア(dpa時事)