サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会に臨む日本代表メンバー26人が決まった。前回ロシア大会を含め、ベスト16の壁にはね返されること3度。初のベスト8を目指す森保ジャパンを支える主力の「サムライ」を採り上げる。 ◇主将の「覚悟」 ロシア大会を終えると吉田麻也(シャルケ)は、長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)の後を継ぐ新主将に就いた。「ピッチ内外で姿勢を示していく」。世代交代を進めた森保ジャパンで、若手とベテランの橋渡し役を担い、チームを熟成させてきた。 アジア最終予選は、1勝2敗スタートと苦しんだ。「責任を取る覚悟はできている。終わってから判断してほしい」。W杯連続出場が途切れる危機に立たされたが、批判とも向き合いながらW杯の切符を手中にした。同じ長崎県出身の森保一監督も全幅の信頼を置く。 4年前の苦い記憶は鮮明だ。ベルギー戦の後半ロスタイムに迎えた日本のCK。GKクルトワが捕球すると、吉田の前を通り過ぎ、瞬く間の速攻から決勝点を奪われた。わずか14秒。2―0から逆転を許し、8強入りの夢は散った。今回は1次リーグでドイツ、スペインと同組。日本の成長を示すには、申し分のない相手だ。 今夏にイタリアからドイツへ渡った。決断の理由は明快で、「W杯で結果を出すため」。ライバル国で過ごす日々は代え難い経験となっていて、「一歩の差、一歩のミスが命取りになるところに身を置くというのは、研ぎ澄まされたものを磨き上げる上ではすごく大事」。34歳で臨む3度目のW杯。集大成の舞台で、日本の新たな歴史を刻む。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕米国戦の後半、ディフェンスする吉田(左)=9月23日、ドイツ・デュッセルドルフ