サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、森保ジャパンは初のベスト8を目指すが、その前に立ちはだかるのが1次リーグの戦い。ライバル3チームを分析した。 ◇欧州優勝国に初挑戦 日本は7度目の出場で初めて欧州のW杯優勝経験国に挑む。その最初の相手となるのが、4度の世界一を誇るドイツ。1次リーグで敗退した過去3度は全て初戦を落とした日本にとって、突破の行方を占う一戦になる。 チームを15年率いたレーウ氏が昨年の欧州選手権を最後に退き、後を引き継いだのがフリック監督。直前まで指揮したバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)では、欧州チャンピオンズリーグ制覇を果たすなど実績を残した。屈指の理論派で知られ、戦術は確立されている。 キミヒ、ニャブリらバイエルン時代の教え子たちが代表の主力を占め、スタイルもそのまま持ち込んだ。最大の特長は前線から激しくボールを追う「ハイプレス」。そこからの素早い速攻に加え、緻密な攻撃も併せ持つ。 細かく立ち位置を変えながらスペースをつくり出し、一瞬で隙を突く。歴戦のミュラーはその動きにたけ、得点嗅覚も鋭い。ボールを持たれた際に、簡単に食い付けば相手の思うつぼ。日本としては、6月のブラジル戦のように堅いブロックを敷き、奪い返していくのも選択肢の一つだ。 守勢に回っても敵陣での時間を長くしたい。GKノイアーからの組み立てに対し、相手に負けないプレスで圧力をかけてミスを誘ったり、長いボールを蹴らせたりする展開に持ち込めば、相手のペースになりにくい。 ドイツは連覇を狙った前回、初戦でつまずき屈辱の1次リーグ敗退。今回は第2戦でスペインと当たることを考えると、初戦で勝ち点3を狙いにくるはず。日本は無失点でしのぎ、結果として引き分けに持ち込んでも十分。堅実な戦いが求められる。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕健在のドイツの両ベテラン、ミュラー(左)とGKノイアー=6月7日、ドイツ・ミュンヘン(EPA時事)