オリックスがリーグ連覇を支えてきた力で、日本シリーズ初勝利をもぎ取った。五回途中から思い切って継投に入り、救援陣が奮闘。最少リードを守り切った。 1点リードの五回1死から、塩見に三塁打を打たれたところで中嶋監督が動いた。ここまでゼロを並べていた山岡の交代を告げ、2番手でフォークが武器の宇田川を起用。外野フライも許されず、三振が欲しい場面で山崎のバットに空を切らせた。続く山田も三振に仕留めてピンチを脱すると、回またぎとなった六回も1死一、三塁からサンタナ、中村を3球勝負で空振り三振に。7月に支配下登録された右腕が流れを渡さなかった。 中嶋監督は「投手陣の頑張りがなかったらここまで来られなかった」と言うほど絶大な信頼を寄せる。敵地神宮での第2戦も五回から継投で逃げ切りの形をつくった。九回に阿部が同点3ランを浴びて白星はつかめなかったが、監督は決して責めることはなかった。 今季は救援の踏ん張りで接戦を拾ったことが最終戦での優勝決定につながった。負ければ王手をかけられていた一戦で、得意の形で踏みとどまった。反撃のきっかけにするには十分な1勝だ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するオリックス2番手の宇田川=26日、京セラドーム