再三つくった好機がようやく実った。オリックスの杉本が三回に均衡を破る先制打。この一打がここまでの3試合で計7得点と低調だった打線を活気づけるきっかけとなるか。 2敗1分けで迎えた試合。一、二回ともに得点圏の走者を生かせず、この日も重苦しいムードが漂った。杉本自身も一回2死満塁の絶好機で空振り三振。しかし三回。2死二塁から2球目の変化球を捉えた打球は左前への適時打となった。「何とか先制の一本になってくれてよかった」と胸をなで下ろした。 前日は四回2死二、三塁で空振り三振に倒れた直後、ヤクルトの山田が決勝3ラン。「そういう流れになってしまっている」と中嶋監督。投打で悪循環に陥った第3戦と同じ失敗は繰り返さなかった。 負ければ後がなくなる一戦で、杉本がまずはベンチの期待に応えた。昨年の日本シリーズでは、優秀選手に選ばれた。このまま終わるわけにはいかないという気持ちがスイングに乗り移った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕3回、先制適時打を放つオリックスの杉本(右)=26日、京セラドーム