敗色濃厚だったムードを、ヤクルトの高卒2年目捕手、内山壮が打ち破った。九回無死一、二塁で代打として登場。日本シリーズ初打席で豪快に同点3ランをたたき込み、土壇場で試合を振り出しに戻した。  最後の最後でしぶとかった。先頭宮本の右中間二塁打と、塩見の四球で築いた好機。内山壮は「自分の仕事は山田さんと村上さんにいい形でつなぐこと」と胸に刻んで打席に入った。  6球目の浮いた直球を思い切りたたいて、左翼へ値千金のアーチを架け、「食らい付いて打った。いい角度で上がってくれた」。  強心臓ぶりは、レギュラーシーズンでも見せていた。5月24日の日本ハム戦の八回に代打でプロ初本塁打を放ち、サヨナラ勝ちにつなげた。171センチ、71キロと小柄だがパンチ力が持ち味。「体が小さくても打てるんだぞ、というのを証明したい」との決意がある。大舞台で、しかも最高のシチュエーションで、その信念を体現した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、同点の3点本塁打を放つヤクルトの代打・内山壮=23日、神宮 〔写真説明〕9回、同点の3点本塁打を放ち、ガッツポーズするヤクルトの代打・内山壮=23日、神宮
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 ヤクルトの内山壮、初打席で殊勲=土壇場で強心臓ぶり発揮―プロ野球日本シリーズ