負ければシリーズの流れがヤクルトに大きく傾く第2戦。オリックスの先発投手、山崎福が三回に先制打を放った。打撃にも自信を持つ8年目の30歳。自身の投球を楽にし、チームに主導権をもたらす一打となった。 二回まで相手打線をゼロに抑え、迎えた三回。今シリーズ好調の紅林が二塁打で出塁し、その後1死三塁となって打席が回ってきた。初球の変化球を迷わず振ると、打球は一、二塁間を破った。「何とか抜けてくれてよかった」。塁上で笑顔がはじけた。 今季は打撃を買われ、交流戦に代打で出場した。神宮球場は明大時代にプレーしたなじみ深い球場だ。この日は「神宮で投げてきたことと、打撃で監督が選んでくれた。ありがたい」と感謝してマウンドに立った。 指名打者制がないセ・リーグの本拠地で起用された意味を自覚し、まずはバットで期待に応えた。第1戦をエース山本で落とした嫌なムードをがらりと変えた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕3回、先制の適時打を放つオリックスの山崎福=23日、神宮 〔写真説明〕3回、先制打を放ち、喜ぶオリックスの山崎福=23日、神宮