東京・両国国技館は大いに盛り上がった。力士らと触れ合える貴重な機会。大相撲のファン感謝イベントが6、7日に開催され、ファンクラブ会員をはじめ、延べ9000人が来場した。日本相撲協会の陸奥事業部長(元大関霧島)は「お客さんがすごく喜んでくれて満足している」と手応えを口にした。 17年ぶりの実施は、昨年8月のファンクラブ開設を契機に決まった。元横綱白鵬の宮城野親方自身がファンとチェスで対戦する企画を発案するなど、若手親方を中心に会議を重ね、本場所や巡業では見られない交流の場をつくり上げていった。 新型コロナウイルスの厳しい感染防止対策が取られている中、もどかしさを感じていたのはファンだけではない。「ここまで触れ合える機会はなかったので、久しぶりで、すごくうれしかった」と貴景勝。長い時間をかけ、気さくに記念撮影に応じる力士や親方の姿が館内の至る所で見られた。 社会貢献部の一員として、立ち上げから関わった岩友親方(元幕内木村山)は「裏方さんも含めて、みんなでやれたことに意味がある」と言う。子どもが行司や呼び出しの仕事を体験できるなど、多彩な企画には、協会員が一丸となって感謝を伝える狙いも込められていた。 8月には巡業が再開。11月の九州場所は、7月の名古屋場所同様に観客数の上限を設けずに開催される。相撲界も「ウィズコロナ」への転換を進めながら、ファンサービスの充実にも一層力を入れている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕大相撲のファン感謝イベントで行司体験をする子ども(中央)=6日、東京・両国国技館 〔写真説明〕大相撲のファン感謝イベントで、ファンとチェスをする元横綱白鵬の宮城野親方(奥)=6日、東京・両国国技館 〔写真説明〕大相撲のファン感謝イベントで、ファンとトランプを楽しむ隆の勝(中央)=6日、東京・両国国技館