新潟が駄目押しの3点目を奪った直後に、試合終了を告げる笛。J1復帰を決めた選手たちを目前にして、松橋監督は「こいつら、やってくれたな。格好いい」。約3万3000人が集まったホームスタジアムも沸いた。 引き分け以上で昇格が決まる仙台との一戦は、伊藤が2ゴールを挙げる立役者となった。後半19分、相手の動きが止まった隙を逃さず、スローインの流れから右足で狙い澄まして先制点。同32分にはクロスのこぼれ球を振り抜き、「自分のゴールで勝ちたいと強く思っていた」と喜んだ。 現役時代は横浜Mなどでプレーし、今季就任した松橋監督は前任のアルベル氏(現F東京監督)が築いたパスサッカーを土台に、ゴールへ向かう意識を植え付けた。連敗することなく勝ち点を重ね、選手も巧みに入れ替えてGK以外の全員が出場。20人が得点をマークした。主将の堀米は「そのサイクルがうまくいった」と振り返る。 J1で14シーズン戦った後、2018年に降格。当初はJ2でも苦しんだ。「結果で(応援に)恩返しできた」と堀米。来季再び、新潟の地を盛り上げる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕J1昇格を決めた新潟の松橋監督=8日、新潟市