プロで初めて抑えを経験し、がむしゃらに腕を振ったルーキーの頃を思い出した。今季10勝を挙げている日本ハムの伊藤が3―2の九回に登板。「これくらい各打者に腕を振っていたなと。いろいろなことに気付けた登板だった」。三者凡退で片付け、試合を締めた。 チームは今季、守護神を固定できなかった。石川直らが務めたが、試合をひっくり返されることも。最下位が確定したシーズン最終盤に新庄監督は、速球派でスライダーなど空振りの取れる変化球も持つ右腕を来季へ向けて試した。 直球は全て150キロ台を計測。最後の茂木はフルカウントからこん身の直球で空振り三振を奪い、マウンドでほえた。「打たれる気がしなかった」。クローザーに必要な資質でもある強気に攻める持ち味も発揮し、プロ初セーブをマークした。 抑え投手の重圧も知ることができ、「いろいろな人の人生が懸かった大事な1イニングだと思った」と苦笑いも。監督は「先発の時の迫力とは全然違う。真っすぐで空振りが取れる」と手応えを得た様子だった。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投する日本ハムの伊藤=26日、札幌ドーム