世界屈指のストライカーとしての数々の栄誉は、あくまでクラブレベルで手にしたもの。ポーランドのエース、ロベルト・レバンドフスキは、ワールドカップ(W杯)ではまだ名を成してはいない。自身2度目のW杯となるカタール大会は真価を世界に示す舞台となる。 欧州予選で16得点を挙げ、多大な期待を背負って臨んだ2018年ロシア大会。日本と同じH組で1次リーグ敗退を喫し、自身も3試合で無得点と不発に終わった。失意に沈み「多くの眠れない夜を過ごした」。母国のメディアにこう打ち明けた。 4年の年月を経て、8月に34歳となった。ベテランの域に入っても、衰えるどころか名声をより確固たるものとした。20~21年シーズンにはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)で41得点のリーグ最多記録を打ち立てるなど、2年続けて国際サッカー連盟(FIFA)の最優秀選手に輝いている。 穴の少ない本格派のセンターフォワード。前線で体を張り、守備でも精力的にピッチを走る。その姿は「年齢は数字にすぎない」という本人の言葉が示す通りだ。 今夏は活躍の場をスペインに移し、名門バルセロナの「9番」として世界中の注目を集める。「彼は決して現状に満足することはない」とは元空手選手のアンナ夫人。向上心を失わず、円熟期を迎えてなお挑戦を続ける。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕欧州予選プレーオフB組決勝のスウェーデン戦、先制点を決めて喜ぶポーランドのレバンドフスキ(手前)=3月29日、ポーランド・ホジュフ(AFP時事)